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よしだクリニック整形外科・形成外科|オフィシャルブログ YoshidaClinic's official blog

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  • Oct

介護の現場でのコミュニケーション

みなさん、こんばんわ。

デイケアのブログ担当です。

 

月末請求も一段落し、ブログに向かっています。

さて。今日は『介護の現場でのコミュニケーション』について記載したいと思います。

 

介護の現場には、利用者や介護職員をはじめ、いろんな人が関わってきます。

以前のブログで、”常識と非常識は紙一重”とお話ししましたが、今日の話も一部共通点があります。

 

みなさん、頭を働かせて下さい。ある事例問題です。

 

ある日のこと、利用者さんがトイレに行きました。

職員はいつものように誘導し、トイレ介助に入り、一旦退室し、コールが鳴ってから再度トイレに入室しました。

いつものように、トイレ介助を済ませ、水を流し、手を洗い、トイレ誘導は無事に終わったかのように思われました。

ここで、利用者さんから突然不満が出ます。

『なんで水を流したんだ』と。

さて、なぜでしょう。

 

上記、たった5行の文章ですが、答えにつながるヒントがあります。

問題になったのは『いつものように』です。

相手は、一人の人間です。いつも同じ心理状況ではないし、時には体調がよくない時もあるでしょう。

そんな時に、『いつものように』ケアをされても、 「ありがとう」 とか 「いつもすまんね」 という言葉にはならないんですね。

いつものように、していることというのは、時には機械的に行っていると誤解される危険性があります。

もちろん、その職員には毛頭そんな気持ちはありませんが、対人援助や人間関係で『いつものように』というのは

常に通用するということはないし、同じ結果を生むとは限らないんですね。相手が機械なら別ですが。

 

やっぱり相手とのコミュニケーションが大切なんです。

声の大小や、表情の変化、目や身体の動き、その日の自席での過ごし方や、他者との接し方や、テンションの上下、雑談の中から、

本人が何を気にしているのか、心配しているのか、興味があるのか、積極的になれるものは何か、消極的になるものは何か、

機嫌が良い時はどんな状況の時か、機嫌が悪くなるときはどんな状況の時か…。

それらは観察して発見できることもありますが、コミュニケーションも同じくらい重要だということです。

 

上記の事例では、ここのところ、この利用者さんは便秘気味だったようなので自分なりに食生活にも気を付けていたようです。

水分を多く摂るようにしたり、野菜などの繊維質も気にかけて食べるようにしていました。

排便時には力むこともあり、体力の低下した利用者さんにとっては、大きな仕事の山場でもあったわけです。

山場を過ぎて、普段から心がけていた食生活などの結果、どんな便が出たのか今後の食生活の参考や、

健康のバロメーターとして自分の目で確認したかったようです。

しかし、悪気はなかったにせよ、職員は、『いつものように』トイレ介助後に水を流してしまいました。

 

私は、この職員のしたトイレ介助について特段責められるような問題はなかったと判断しました。

しかし利用者さんから不満を出さないためには、もっとコミュニケーションをとって、話す機会を持てていたら防げた事例です。

それは、自分自身の指導不足の点も大いにあったので、

2回目は繰り返さないように、今まで以上に誰に対しても声かけを行うように話しました。

 

その職員には要点として2つ話しましたが、具体的には、

【1】相手に対して行動を起こす前に『〇〇さん、今から何何しましょうか。これとあれとどちらが良いですか』の声かけを

一つ一つしていきましょうということ。自己選択をさせるようにしましょうということ。

【2】相手によっては一つ一つ確認されることを煩わしいと思う人もいるので、教えたことがすべての人に当てはまるものではないこと。

教科書のように介護に決まった答えはありませんよということ。

 

その職員も凹み気味でしたが、今後の成長の糧となればいいなと思います。

 

話は変わって、介護の現場では利用者とだけではなく、いろんな職種の人が関わります。

立場が違えば物の見方も異なります。

当然、医療と介護は共通点もありますが異なる点も多く存在します。

なんで相手の意見と自分の意見が異なるのか、どうにかして摺合せができないものか、

いろいろ頭の中で試行錯誤しますが、どうにもならない時は、心の中で「いつ解決するかなー」と他人事のように思うようにしています。

 

お互いに相手の言動や立場を理解出来合えたら衝突することもないし、嫌な気持ちになることもないでしょうにね。

チリも積もれば山となる。一見、強い綱でも力を引っ張り続けたら目に見えないところから ”ほころび” 始めるものです。

 

小さな小さな ”ほころび” を見つけられるか見つけられないかで、人生大きく変わると言っても過言ではありません。

それらの ”ほころび” は普段の会話の中に紛れていたりしますから。

目先のことしか考えられず、雑談のように見えるコミュニケーションを軽んじるようでは、足元すくわれますよ、ということです。

みなさんも、コミュニケーションは大切にしましょう。

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